河瀬直美監督の新作「光」

河瀬直美監督の最新作「光」をとても楽しみにしています。

 

音楽家であった私の父は幼いころに視力を失なっていました。盲目であったから(昔のことですから)あんまになるか三味線弾きになるかというくらいの選択肢しかなく箏曲家になり、盲目であったからセンスを聴力に集中させた結果、天才少年として箏曲界を席巻し大分の山奥の小さな集落からカーネギーホールまで辿りく要因になったのかもしれません。

 

しかし私からすれば生まれたときから盲目の父。ある時期までは光の明暗はわかったようですが、当然ながら私の顔など知りません。普通の親子のようにキャッチボールしたり、TVゲームしたり(そんなもの無かったけど…)ということはありえず。しかしながら私にとっては当たり前にそうだったし、思い返すに光の無い父の世界を想像することもありませんでした。

 

ちょっと特殊な習わしはありました。怒られるときには思い切り尻を叩かれていたのですが、私と違って父は骨太でがっしりした体格だったので物凄く痛い。叱られながら「こちらへ来なさい!」と呼ばれるのですが、従ったらめちゃめちゃ痛い目が待っている。正直 黙って音も立てずに逃げることはできるわけですが、盲目の父に対して そんな卑怯なことはできないと思った幼い私は震えながら「捕まる」わけです。すごい修行でしたよ(笑。

 

カメラマンが その生命線である視力を失っていくというお話。父の思い出と交差しながら、もしかしたら父の世界を思うことができるかもしれません。

 

 

あとですね、私、手ブレ映像に非常に弱くて、すぐに酔ってしまうのです。近作は拡大ロードショーもあってか?鑑賞しやすい映像なのですが、じつをいうと初期の作品は開始後数分で鑑賞続行できなくなり、音声のみの世界へ。なので ほとんどの作品を見てはいるのですが、ほとんど観ていないのです(笑。「あん」に続いて今作も じっくりと浸れるはず。楽しみ!


仲間日記 part-2

さて、何をやってきたのだ?ですよね。

重ねますけど、以下は二月堂周辺で皆様も目にする可能性のある事柄のみです。つまり言えないことは言えねえのです。

ふふふ。

 

 

私の場合は今回の担当である堂司(鷲尾隆元さん)のお使いや、その御部屋(北座衆之一、北座衆之二、中灯の4人部屋)の片付けやお掃除、お給仕などなど要は誰でもできることなのですが、やはり私は40年近く舞台に乗ってきた立場。あぐらかいてふんぞり返って生きてきたつもりはありませんが、やはり「気持ちはあっても、気づけない」もどかしさはありました。

 

誰でもできるとはいえ、現代の日常には無いこと満載でして…

 

ガス無いですから:
朝イチの御仕事は24時間絶やさない焚き火を使っての炭おこし。それを火鉢や囲炉裏に。

真冬の行なので焚き火や炭の炎がどれだけ身も心も温めてくれたことか。。。終わったら ぜひ七輪を買おうと思っていたのですが、奈良は「お水取りが終わると春がくる」ので無用な季節…(笑。

 

お部屋の掃除:
練行衆は布団の上に敷かれたテシマというゴザの上で生活します。なにせゴザなのでワラの切れ端が沢山出ます。さらに和紙でできた衣を着ているので、その繊維も大量の綿埃に。もちろん掃除機はないのでホウキ掃き。

 

練行衆の”ランチ”:
食堂と書いて「じきどう」と読む御堂の中でとられるのですが、これも「食作法(じきさほう)」という行らしいのです。しかし、どう見ても母ちゃんに叱られそうな”お行儀の悪い”作法だらけなんですね。謎だらけだらけです…

我々は御盆を持って食器のお片付けをします。


で!その食作法以降、深夜に行が終わるまで練行衆は一切の飲食ができないのです。声明で喉を酷使するにも関わらず水も飲めないのです。そのため、酷なことに部屋の飲食物や茶器の類も仕舞って隠してしまう。それも我々の役目。「すいませんねえ…仕事なんで…」という感じでした(笑。

 

特殊任務:
連日あがる御松明は薄暗く長い階段を昇る練行衆を導くためのもの。最初は普通にこのくらいだったはず。

 

いつから巨大化したのでしょうね〜

検索すると、やはり江戸時代との説。

江戸時代 憧れる!


その松明に続いて練行僧。幹部ともいえる四職には我々仲間が続くのですが、堂司担当の私だけは巻物を右手で掲げながら上り、二月堂入り口で堂司さんへ手渡します。その巻物とは… 検索してください…

 

修二会の12日めは特別なイベントがたくさんあります。東大寺修二会の総称のように言われる「お水取り」も、じつはこの日の深夜にだけ行なわれるもの。御松明も籠松明という普段よりもゴージャスなタイプに。

 


この期間中、スタッフ・サイドでは最も任務が多いかもしれない加供奉行という役がありまして、我々仲間の上司的存在でもあります。この加供奉行さんは連日 まもなく練行衆が上がってくるという伝令をしに二月堂へ駆け上がるのですが、12日だけは大きめの松明を掲げます。

しかも3回連続で行なうので実にキツい。そのおかげで3本目にあたる「出仕の案内」を仰せつかりました。
KISSのファイア・ドーーーン!など、ステージの特殊効果としての炎は超盛り上がるものですが、なにせ消防法のしばりがあるので日本では蝋燭1本灯すのでさえ許可申請がたいへんなのです。なのにこんな松明をボーボー燃やしながら突っ走れるなんて!!!
はい!バカみたいに楽しかったです♪

駆け下りてきた私が童子さんへ松明を手渡して消してもらう瞬間!

 

今朝Amazonして夜には届きました。

あらためて音楽として聴いていますが、、、カッコよすぎる!!!

 

続く→

 

写真は奈良のアンティークショップ満月さんから頂きました♪


仲間日記 番外編

part-1書いたと思いきや、早くも番外編です(笑。

 

3/26は薬師寺での修二会=花会式にてレオさんと奉納演奏をしてまいりました。これまた楽しかったー!ハプニングもありつつ、いろいろとアタリのライヴだったかと♪ 常連の皆々様にも楽しんでいただけたのではないかと♪

今回の御写真は奈良の写真家 野本さんからいただいたものです。

 

堂本剛くんのライヴを演ったのをきっかけに薬師寺の大谷徹奘さん(写真、黄色い袈裟の方)と仲良くさせてもらっておりまして、ライヴ企画だったり、通りがかっただけなのになぜか奉納演奏してたり、いろんなことやらせてもらって(巻き込まれて)ますが、今回は正式な奉納でした(笑。
当初のリクエストは和太鼓レオさんとのデュオ。もちろん、彼とならばなんとでもなる。明日にでもできる。1分後でもOK!なんですが、デュオは奈良県のイベントで何度か演っていますので今回はひと味変えたく、写真左から龍笛・出口煌玲さん、笙・伊藤えりさん、篳篥・高木了慧さんの雅楽トリオにご参加いただきました。オープニング雅楽→兄弟即興→エンディング雅楽というイメージだったのですが、御三方も即興ということになったようで♪ なので「ほお!雅楽ですなあ♪」と思わせて…じつはフリー♪ この5人が集まれば余裕で1公演できちゃいますねえ。なんとかしたいもんですねえ!

 

自慢ですけど私はかなりの晴れ男。天気予報曲げるくらい。しかし!レオさん、そーとーの雨男。ファンの皆様の間でも定説の雨男。そして煌玲さんも雨男と発覚。予報は降水確率50%という五分の戦い。お日様が時おり顔を覗かせ薬師寺の御坊様がたも「降らん」と決め込みだったのですが、本番時間前にポツ…ポツ…ポツ。。。私の打楽器は樹脂や金属なので大丈夫なのですが、雨男の和太鼓は雨NG→雨男やめればいいのに(笑。結果、金堂前の特設舞台は諦めて急遽 屋根のある中門へ引っ越し。楽器運んで・組んで・そのまま本番という流れでしたが、こういうバタバタってむしろ盛り上がる。ベテランほど盛り上がる(笑。
まあ、正直言いますと屋根がある場所の方が音が響くので演りやすい聴きやすいのはたしかでして、結果オーライだったわけです。でも舞台の方も金堂からの反響があって、屋外とは思えない響きがありました。それは次回のお楽しみ?

 

ところで告白:

お水取りの期間中は歌舞音曲禁止で、作業中に口笛吹いてたら怒られたっていう逸話も聞きました。(行は歌舞音曲そのものなんですが)私にとってこんなに長期間 楽器を触らなかったというのは前代未聞。娑婆復帰直後にライヴはあったものの、さすがにレオさんとの叩き合いは、もう「腕 ツル!ツルー!」という状態で追いつかないー!あと寒空の下、このような衣装ので練行衆との行列、境内での行事、お堂での法要、お焼香を行ないましたので身体が冷え切りましてスティック握れない握れない…ま、なんとか演りましたけど、正直 二月堂より寒かったです〜〜(笑。

 

以上は想定内のハプニング。

想定外のハプニングは雅楽隊が戻ってのエンディングで起きました。


中門を通って女子高生の修学旅行団体様のご入場が!せっかくなんで門の脇で叩きながらお出迎え。レオさんもノッてきてお出迎え。煌玲さんも即興やめて雅楽の定番「越天楽」でお出迎え。JKたちも「なにこれ?なにこれー!」とか言いつつ、はしゃいでました。太鼓にあわせて踊りながら靴脱げちゃう子とかww 想定外の上塗りとして延々続くバス5台分くらいの団体さんでライヴ延長という(笑。

 

東京へ戻ったレオさん以外は19時から金堂にて聴聞。たった10日後なので、ついつい二月堂と比較してしまいますが…全然違う。こちらはなんともカラフルで華やかでオープンで。なぜこのような開かれた修二会になったのか、そしてこの回の内容解説などもありつつ、「薬師悔過」と書かれた(持ち出し禁止の)経本も配られて「参加型」♪

じつは花会式には初めてだったので、またひとつ奈良に楽しみが増えてしまいました。最後の鬼追いも行かねば!!

 

あー、楽しかった♪


仲間日記 part-1

告知しておりましたとおり2月20日から3月15日まで、私は東大寺 二月堂で行なわれた修二会のスタッフ役 仲間(ちゅうげん)として、練行衆を含む39名の方々とともに合宿生活をおくり同じ釜の飯を喰って参りました。15日明け方に満行を迎え、撤収後の昼過ぎに娑婆へ戻りましての感想は…楽しかったー♪ お仕事として私が役に立ったのかどうかは棚…というか二月堂の屋根のてっぺんまで上げちゃったうえで、私はひたすら楽しいひと月間でした。それは、ハマっているバンドや劇団の裏方スタッフに抜擢されたようなもの。みなさまにも想像つきますでしょう。

 

イントロ:
4年前、修二会、通称「お水取り」を観に行くことをススメられ二月堂の中へ。修・二・会の3文字をなんと読むのかもわからないまま。そして何が行なわれるのかも知らないまま。「このクソ寒い真夜中に、これからお経とか聴くわけー?正直キッツいよなあ…100%眠いぢゃん…」という態勢だった私なのですが、ほどなくそこで展開された「行」はあまりに音楽的で、あまりにも演劇的。眠気は吹き飛び、完全に度肝を抜かれたのでありました。
それまでに観たこともないパフォーミング・アート。観客もいないのに…いや、参籠している一般の方々はいるにしても、薄暗く、布や格子に遮られてまともには見えはしないし。いやいや、そもそも行のはず!修行といえば孤独で内に向かう印象だし。しかしこれはあまりに魅惑的…と混乱すらしていました。
ジャンルがなんであれ、人前で披露するものならば、そこには脚本や演出があり、オープニングでつかみ→中盤で一度落とし→エンディングに向かって右肩上がりなどの起承転結を盛り込んでいきます。たとえ即興パフォーマンスであったとしても、一見 観客を置き去りにするような前衛であっても、人々に支持を得られるようなアートならば無意識のうちにも そういうドラマを創っているものだと思います。
それにしても観客もいないのになぜ?だったのですが、先日 新聞社の記者さんとお話していて「観音様にお見せしていると考えれば、観客は居られる!」とのお話。そういった意味では春日大社のおん祭りと同じ趣向といえますが、でもテーマは懺悔のはず…
さて、こういうことは私の範疇ではないので研究者やマニアの皆様へお任せするといたしまして、このように音楽目線で修二会にハマってしまった私がスタッフ役である仲間として、1266年目のお水取り内部へ潜入することになるわけです。

しかしながら、これとて公募されるわけではなく「御縁」あってのお声がけ。2008年に開催された「HOTEI+東大寺 布袋寅泰 SPECIAL LIVE-Fly Into Your Dream- 」に参加したことをきっかけに東大寺の森本公穣さんと仲良くさせていただくことになり…か・ら・の…


現場入り:
14日間の公演(我々の用語も当てはめていこうと思います♪)といえばなかなかのロングラン。そのためには仕込みやリハーサルがなければ始まりません。そこで、まずは2月20日から東大寺 戒壇院近くの別火坊と呼ばれる御屋敷にて合宿が始まります。この中での様子は ほぼ公開されていませんので手元には沢山の貴重な写真がありますけれど、これらは私が個人で楽しみます。記述することもしませんです。あしからず〜♪
でも、お堂の中に飾る椿の造花作りや、それを椿の枝に飾る花つけの様子は、この時期のニュースの定番のようですので ご覧になった方も多いかと。私もちゃっかり登場していましたし♪驚いたことに、この作業も含め行を行なう11人の練行衆が自ら手がけることの多いこと&多いこと。まるで小劇場の団員のようでした。この椿の花つくりにしても、何個かやったらあとはパートのおばちゃんに発注したっていいのにって思いますけど、みんなで指先を糊だらけにしながら全部こしらえます。その糊ですら鍋で炊いた自家製。チューブからボンドをチューではないのです〜。この椿の造花は後日に椿の枝に刺して、あたかも満開のように創作されます。これも練行衆が一人一枝担当して仕上げ=各人のセンスが問われる一種の生け花。一貫して手づくりするので、この時点からしてアートです。アンディ・ウォーホルの方がよほど外部発注してたと思います(笑。なぜ造花なのか…薄暗く、油を灯した明かりしかない御堂の中では生花は枯れてしまうので造花を飾ります。でも!ところで!外部の者にはほぼ見えないのですよ。知った方々ならば、なんとなくシルエットでうかがい知ることができるレベル。なのにこんな可愛らしいアイテムをオッサン総出で(笑。

 

椿の花のビフォー&アフター

 

お水取りにはこういう見えない見せないものが山ほどあります。

 

お堂の中に積み上げられる御壇供と呼ばれるお餅も完全手づくり。精米だけは業者さんと思われますが、大釜で湯を沸かし大きなせいろを乗せて米を蒸す。それを交代で杵でつき、手作業で型に入れて円盤状のお餅を作りまくります。朝から夕方までで1000だか2000だか。この作業には練行衆は加わっていなかったと思いますが、お堂の中に積み上げるのは彼等のお仕事。椿の造花を飾るのも同じく。行を行なう場に入れるのは練行衆だけなので、我々も入り口までしか手伝えませんので、かなりの重労働ですよー。

 

<続く>

 

ちなみに明けて3/26は薬師寺の修二会=花会式。こちらでは舞台に上がって奉納演奏させていただきます♪


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